2021年12月議会*一般質問 女性支援法の制定を国に求めよ
一般質問を行う久保みき市議
12月1日、12月議会本会議で久保みき市議が一般質問をおこないました。はじめに、DV被害者支援について質しました。
久保 私は議員になって以来、DV被害者の方から相談を受け、実際に暴力から抜け出す手助けをしてきた。内閣府が公表した「女性に対する暴力の現状と課題」によると、2020年度のDV相談件数は19万30件と、2019年度から61.8%も増加した。さいたま市においても2020年度は1261件となり、930件だった前年度と比べて増加している。日本のDV被害者支援は「売春防止法」をもとにした婦人保護事業でおこなわれているが、DVは売春とは無関係だ。いま求められているのは、旧態依然の婦人保護事業から、困難を抱えた女性を支援する事業に変えていくこと。そのため、国に対し、早急に「女性支援法」を制定するよう求めるべきだと考えるがどうか。
市 女性が抱える困難は、近年、DV被害、ストーカー被害、性暴力被害など複雑化、多様化してきており、売春防止法を根拠とした従来の枠組みでは対応が困難なケースもみられる。国においても「困難な問題を抱える女性への支援の在り方に関する検討会」を設立し、2020年に中間まとめが出された。市としては国の動向を注視したい。
久保 2019年9月議会で、DV被害者相談において「相談共通シート」の導入を求め、実現したことはうれしい限りだ。しかし、心身ともに疲れ切っている被害者に「シートを用意したからあとは自分で」という対応はあまりに冷たく、実態を理解していない。被害者があちこちの窓口を回らなくていいよう、ワンストップの支援体制を求める。
市 ひとりで手続きをおこなうのがむずかしいDV被害者の方については、男女共同参画相談室および各区の福祉事務所で状況に応じて適切な支援をしている。
ケアラー支援条例制定にむけて
続いて久保市議は、ケアラー支援条例制定について質しました。
久保 全国初のケアラー支援条例が埼玉県で制定された。さいたま市も条例の制定にむけて動いていると認識している。ヤングケアラーの問題は社会問題化しているが、老々介護、老障介護、介護離職など、問題は山積しており、すべてのケアラーへのきめこまかい支援が早急に求められている。在宅介護者手当など、経済的支援を実施すべきと考えるが見解をうかがう。
市 高齢、障害、疾病などで援助を必要としている方に介護、看護、日常生活の世話をしているなど、いわゆるケアラーの存在は認識している。それぞれの状況にあった幅広い支援が必要だ。本市においても、検討プロジェクトチームを設置し、条例制定やケアラー支援の強化に向けた検討を進めている。経済的支援については、精神的、身体的負担の軽減とともにケアラー支援における重要な要素である。在宅介護者手当は本市では実施していないが、ケア対象者に対する給付制度など間接的にケアラーの経済的な負担軽減につながる支援策もあるため、既存の支援策の周知を図りたい。
セルフ・ネグレクトをご存知ですか
続いて久保市議は、セルフ・ネグレクト問題について質しました。セルフ・ネグレクトは、配偶者や家族の死のほか、自分の病気や仕事をやめるなどさまざまな理由で年齢に関係なく陥ると言われています。セルフ・ネグレクトが表出したひとつのかたちとして「ごみ屋敷」があります。久保市議は相談を受けた方の写真を示し、大阪府豊中市の社会福祉協議会の先進的なとりくみを紹介しながら本市の対応を質しました。市は「保健所精神保健課やこころの健康センターで相談を受け付けている」として、「ごみ屋敷」についても「単にごみを片付ければいいというわけではなく、本人に寄り添った対応をする」と答弁しました。
ほかに久保市議は、公立夜間中学の設立やバス停のベンチ設置についてとりあげました。